【ダウンライト迷う必要無し】12V車用と12V仕様を比較してみた

【ダウンライト迷う必要無し】12V車用と12V仕様を比較してみた
皆さん、車で使用されているダウンライトに「12V車用」と「12V仕様」の2種類があるのはご存じでしょうか??
筆者自身も、この業界に入るまで「12V車用」と「12V仕様」の違いをそこまで意識しておりませんでした。
しかし、商品の表記の違いに疑問を持ち調べていくと…
12V車用は仕様の欄に「13.8V使用時」などの表記があります。
しかし、12V仕様には仕様の欄に12Vという記載しかありませんでした。
では、実際に比べたらどうなるのか、今回検証してみました!

このブログは、自動車ディーラー整備士歴15年、現在はLED販売関連会社に勤める筆者がLED商品に関する疑問や情報をできるだけわかりやすくお伝えしていきます。

以前に書いた…
興味がある方はこちらもご覧ください。



早速ですが今回の検証結果です…

結論、車で使うなら12V車用」に軍配が上がるという検証結果に至りました。
※「12V仕様」が使用できないという内容ではございません

この記事に辿り着いた方は車用のダウンライトに興味がある方だと思います。
筆者は、「せっかくなら、より良いものを買いたい」という気持ちが強いので、同じ気持ちの方に共有させていただきます。



ということで今回は…
【ダウンライト迷う必要無し】12V車用12V仕様を比較してみたというテーマでお送りします。

この記事を読むと…
たくさんあるダウンライト商品の中から、車で使用するダウンライトは「12V車用」を選べば間違いないという事がご理解いただけます

ダウンライトの導入を検討されている方、どの商品を選べば良いか迷っている方、こちらを読んでいただければ迷わず購入まで進めると思いますので最後までご覧ください。


目次



1.12V車用ダウンライトは約14Vを想定している



車のバッテリーはご存じの通り12Vが基本です。
実際にエンジンがかかっていない状態でバッテリーの電圧を測定すると約12Vの数値が出てきます。

次に、エンジンがかかっている状態でバッテリー電圧を測定すると約14Vの数値に上昇します。

測定値が上がった理由は、オルタネータ(発電機)で発電が開始された為です。
※細かい電圧値、発電数値の詳細については割愛します

そのことを見込んで12V車用は約14Vを想定して作られています。

上記のことから、エンジンがかかっている時に12V仕様のダウンライトを使用すると、規定の電圧値をオーバーしている事になります。

では、実際に使用している状態を再現するとどのような差が出るのか!?
筆者が検証しようと思った動機がここです。


それでは、今回どのように比較するかご紹介します。


比較内容について

2つのダウンライトを12V、14Vでそれぞれ1時間同時点灯させていきます。
その時、以下3項目にどのような差があるかをチェックしていきます。

温度

電流

明るさ

特に気になるのは「温度」ですね。
LEDの寿命にも直結しますし、周りに与える熱の影響も気になります。


準備したもの

検証したのは以下の2つです。

① 12V車用LEDダウンライト 3W 15LED 昼光色(6000K)
① 12V車用LEDダウンライト 3W 15LED 昼光色(6000K)
12V車用(13.8V 定格電流:約0.2A)

② 埋込式LEDダウンライト  3W 15LED 昼光色(6000K)
② 埋込式LEDダウンライト  3W 15LED 昼光色(6000K)
12V仕様(12V 定格電流:約0.25A)

※定格電流は仕様諸元を元に筆者が計算した概算値です

次に、使用する機器はこちらです。


安定化電源 KX-210L
安定化電源 KX-210L
今回の電源機器で、12Vと14Vの調整及び電流測定を行います

シンワ 放射温度計
シンワ 放射温度計
非接触タイプの温度計でダウンライトの本体温度を測定します

以上の機器で測定を行いました。

気になる結果は…


実際に比較すると、差が明らかに

比較構成写真


先に結果をお伝えすると、「12V車用」と「12V仕様」には温度と電流値に明らかな差が出ていることが判明しました。

冒頭にも記載しましたが、今回の比較は12V仕様」が車で使用できない、又は危険というものを伝えるものではないという事だけはご理解ください。

使い方や、使う場所を理解していただければどちらも良い商品であることに違いありません。

それでは実際の比較をご紹介します。


温度測定(12V)

まずは、2つのダウンライトをエンジン停止中を想定し、12Vで1時間点灯させてみました。
ちなみに、測定場所の環境温度は 23.5℃ でした。

点灯から1時間経過後の本体温度がこちら

12V車用ダウンライト温度測定
12V 12V車用 電圧電流
12V車用
温度:36.3℃  電流:0.13A

12V仕様ダウンライト温度測定
12V 12V仕様 電圧電流
12V仕様
温度:40.9℃  電流:0.18A


温度差 4.6℃ 
電流差 0.05A 

12V車用は手で触っても人肌程度の温かさで、12V仕様の方は「熱い」と感じる位の温度感でした。

電流値も12V仕様の方がやや高い結果が出ました。

ただ、この時点では使用に問題があるような温度ではないと判断できそうです。


温度測定(14V)

では次に、エンジン始動中を想定し、14Vで1時間点灯させていきます。

点灯から1時間経過後の本体温度がこちら

14V 12V車用 温度測定
14V 12V車用 電流値
12V車用
温度:43.0℃  電流:0.19A

14V 12V仕様 温度測定
14V 12V仕様 電流値測定
12V仕様
温度:51.2℃  電流:0.27A


温度差 8.2℃  
電流差 0.08A  


12Vで1時間点灯させたときに比べ、温度に大きな差が出ました。

12V車用熱いが触れる状態で、12V仕様ずっと触ってはいられない熱さまで加熱していました。

また、電流値にも差が出ており、12V仕様に関しては筆者の計算上では定格電流値を超えた数値が測定されました。


※定格電流を超えて使用を続けると、本体の破損や車両火災の原因になります。
※大変危険ですので辞めましょう!!


現在12V仕様を取り付けている状態で、定格電流オーバーが心配な方は、調光器を間に入れ光を減光して使用するか、整流ダイオードで流れる電流を調整することで安全に使用する事ができます。


明るさ比較
12V点灯時と14V点灯時で明るさはどの程度差が出たのかも確認してみました。

12Vの明るさ
12V点灯時の明るさ

14V点灯時の明るさ
14V点灯時の明るさ


結果としては、ほぼ変わりません。

ただ、写真ではわかりにくいですが、肉眼で見ると14V点灯時の方が明るかったのと、12V仕様の方が12V車用に比べて常に若干明るい印象でした。

電流が多く流れているので当たり前と言えば当たり前なのですが…

それより気になるのは、同じ6000Kのはずなのですが、左右で色味が違いますね。
中国製の場合によくあるのが、製造ロットが違うと製品自体に若干違いが出てくる事がよくあります。

同じ物が準備できなかったので、今回はご勘弁ください。


比較結果

12Vで1時間点灯時】
 温度   電流   明るさ 
 12V車用 定格電流 0.20A   36.3℃  0.13A   ○
 12V仕様 定格電流 0.25A  40.9℃  0.18A   ◎

12Vで点灯させた時は、温度・電流共に使用できる範囲内の数値でした。
むしろ12V仕様の方が能力をフルに発揮できている印象です。

12V車用も暗いわけではなかったので、使用するのに全く問題ありません。


14Vで1時間点灯時】
 温度   電流   明るさ 
 12V車用 定格電流 0.20A   43.0℃  0.19A   ○
 12V仕様 定格電流 0.25A  51.2℃  0.27A   ◎

14Vで点灯させた時は、12V仕様の電流が定格電流を超えてしまっているため、本体温度もかなり高くなってしまいました。
※定格電流を超えて使用するのは危険ですのでやめましょう!!

流れる電流が多いと明るくはなるが熱くもなるということですね。

一方、12V車用温度も電流も許容範囲内で点灯している為、無理のない点灯ができていました。

適切な商品選択が重要という事がよくわかります。


まとめ


今回は12Vダウンライトの設定電圧の違いについて比較してみました。

結果を踏まえわかった事をまとめると…

  • 車で使用する場合は12V車用を選べば間違い無し
  • 12V仕様を車で使用する際は「調光器」必須
  • 明るさの差はほとんど無し
  • 取り付ける際は熱が発生する事を考慮した方がよい

◇車で使うなら12V車用が間違いない◇

エンジン始動中の点灯を考えると、こちらを選ぶ事をおススメします。
14V付近の電圧まで対応している物を選べば大丈夫です。

参考までに12V車用ダウンライトのリンクを張っておきます。



12V仕様を使うなら取付けや使い方に配慮が必要◇

比較の結果でもわかる通り、車から電源を取りエンジンをかけている状態だと、本体温度が高温になりやすい傾向があります。

取り付ける際は、熱がこもりやすい場所ではなく、少しでも放熱しやすくなる工夫をして取り付けをおススメします。

また、温度を上げない対策として、100%で点灯しないよう必ず「調光器」を使用する、もしくは整流ダイオードを使用すれば定格電流以内で安全に使用できます。

LEDは長寿命と言われていますが、これはあくまでも適切な使用環境があってのことです。
過電流や高温状態が続けば負担は大きくなり、寿命が縮みます。

照明が壊れるだけならまだいいのですが、最悪は「火災」の原因にもなりかねませんので、
くれぐれも適切な電圧及び電流を守ってご使用ください。

最後は当たり前の話になってしまいましたが、今後もLEDについて色々お伝えできればと思いますので、よろしくお願いします。


この記事を書いた人

Youichiro Cho/長 雄一郎

illumista/イルミスタに勤務

自動車ディーラーで15年勤務。
自動車整備や採用担当を経て、現在はイルミスタにて
主に自動車関連のLED販売や手軽にキャンプや車中泊
を楽しんでいただく為にアウトドア用品を開発中。

趣味:釣りなどアウトドア全般
   海水魚・サンゴ飼育
   おいしいハイボールを飲む事